東邦大学医学部医学科寄付講座内容

寄付講座名称

東邦大学医学部

 「正式名称: 自然・生命・人間先端医学講座」

    (Department of Exploratory Medicine on Nature, Life, and Man)

 

 「通称名称: 額田医学生物学研究所」

    (Nukada institute for Medical and Biological Research)

設置期間

2019年4月1日~2024年3月31日

(平成31年)    (令和6年)

教授(寄付講座)

額田 均(寄付講座責任者)

八木橋 操六(弘前大学名誉教授)

概要

 本寄付講座は、東邦大学学祖(創立者)の一人である額田晋ゆかりの額田医学生物学研究所の地で、東邦大学建学の精神である「自然・生命・人間」をその理念として仰ぎ、大自然への畏敬の念とあらゆる生命に対する尊厳の心をはぐくみながら、一人でも多くの人間の幸せにつながる医学の先端的研究を指導し発展させることをその目的としています。

 

昭和14年に、大学では困難な長い年月にわたる継続した研究を遂行することを目的に額田晋により設立された額田医学生物学研究所は、創立当初より主に肺結核、肺がんについての研究が行われ、当研究所での業績により数多くの研究者が博士号を取得しました。近年は糖尿病、高血圧による末梢神経障害についての研究が主体で、その多くは他施設との共同研究です。

 

平成24年に公益財団法人としての認定を受け、平成25年には現在の新しい研究棟が完成しました。また平成26年より八木橋操六弘前大学名誉教授が研究所長として研究業務を指導し、研究範囲がより一層の広がりを見せています。

  

現在進行中の主なプロジェクトは以下の通り:

 

額田 均(教授):

 

1.      末梢神経の加齢現象 (日本学術振興会科学研究費基盤C):α-Klotho遺伝子ノックアウトマウス等を用いて、末梢神経の加齢についての検討。東京都立医学総合研究所との共同研究。

 

2.      高血圧性末梢神経障害 (日本学術振興会科学研究費基盤C):高血圧自然発症ラットでの末梢神経障害を証明し、その成因、糖尿病合併の影響等についての研究。

 

3.      血管増殖因子の末梢神経障害に対する治療効果の確立:ラット坐骨神経圧挫モデルに対し、basic Fibroblast Growth Factor効果を検討中です。慶応大学、東京歯科大との共同研究。

 

4.      スポーツ医学に於ける全身冷却療法の確立を目指して (日本学術振興会科学研究費基盤C):運動誘発性筋損傷に対する全身冷却療法の回復促進効果について動物モデルを用いて検討。本研究は()前川製作所、国立精神神経センター、立命館大学スポーツ健康科学部との共同研究。本研究は前川製作所より研究助成を受けています。

 

5.      糖尿病ラット神経障害に対する歯髄幹細胞移植療の効果:愛知学院大学内科成瀬桂子(基盤C)との共同研究で、末梢神経の病理について本研究所が行っています。

 

6.         特発性前骨間神経麻痺、特発性後骨間神経麻痺の全国前向き多施設研究:研究代表者は信州大学加藤博之、慶応大学堀内行雄。神経の「くびれ」の病理を本研究所が行っています。   

 

八木橋操六(教授):

 

1. 2型糖尿病の膵島内神経血管構築異常の解析とその修復の試み(日本学術振興会科学研究費基盤C

 

2.    光音響イメージングの糖尿病神経障害への臨床応用(防衛医大石原美弥教授科学研究費基盤B

 

3.       ノバルティス研究助成、2 型糖尿病膵島細胞化生の意義とそれを標的とした新しい糖尿病治療。

 

4.       日本糖尿病学会調査研究委員会、インクレチン治療の糖尿病膵病理に与える影響。

 

5.       2型糖尿病膵島内神経・血管構築の3D解析(申請中)など、糖尿病に関する研究を行っています。

 

越智 健介(研究員):

 

1.神経内血流量制御に基づいた、難治性末梢神経障害に対する新規治療法の開発

(学術振興会科学研究費基盤C

 

堀田 亮太郎(研究助手):

 

以上のように多彩な研究計画が進行中ですが、より広範な研究体制による研究の先鋭化、高度化を目指し、今後東邦大学医学部寄付講座としての研究施設として発展を期するところです。