うがい薬にできる植物・・・ユーカリ、コモンセージなど

 今年は暖冬と言われていますが、寒入りしてからは、日中暖かくても夕方になると急に気温が下がり、服装の調節に苦労しますね。このような時、ちょっとした油断で、体調を崩し喉の痛み、咳などの風邪の症状に悩まされがちです。

 

皆様は風邪予防対策はどうしていらっしゃいますか。13,4年ほど前の2002~2003年の冬季、全国18地域のボランティア387名を募り、“うがい”に関して調査されたことがありました。調査されたのは、京都大学保健管理センター(現在は健康科学センター)の 川村 孝教授です。それによると、風邪の発症率は、うがいしない人の方がうがいをよくする人より上回ったという調査結果でした。この事から風邪予防の対策としては、先ずうがいが基本になるようです。


 今回はうがい剤にできる植物を取り上げます。

 先日、バスで隣り合わせた知人は、車中なので遠慮しているのでしょうが、咳を堪えるのに苦しそうでした。「咳だけではないの。喉が痛くて・・・」と云うので、「ユーカリでうがいすると楽になるから帰宅したら、届けるわ」と約束しました。
“貰ってもどうやって使えばいいのか分からない”と言うので、使い方も書いて、ユーカリ乾燥葉に添えて届けました。 数日後また乗り合わせた時、知人は「ユーカリでうがいしたら、喉の痛みがとれて楽になったし、蒸気吸引したら、詰まっていた鼻もとおりがよくなった」と驚いていました。

 

 ユーカリ以外でもコモンセージも有効です。(コモンセージについてはこちらをご覧ください)


 ユーカリはあまり見かけないので馴染みはないでしょうが、オーストラリアの植物であるとか、コアラが好んで食べる・・・いうことはご存じでしょう。

ユーカリの原産地はオーストラリア、ニュージーランド、タスマニア諸島です。
ユーカリは鑑賞用、花材用として葉色や葉形の様々な種類が、切り花として花屋でも売られていますが、それらは薬用にはなりません。↓

 

 Eucalyptus属は少なくとも450種あり、変種も含めるとなんと800~1,000種もあるといわれています。その中では、園に植栽しているタスマニアンブルーガムE.globulus、ホワイチトップぺパーミントE.Polybractea E.radiata、レモンユーカリE.citiriodaraや、植栽していないペパーミントガムE.diveガリーガムE.smithii、ハニーレモンE.staigeriana等多くの種類に治療の特性があるそうです。(参照;ピーター・コンウェイ著「薬になる木」)

・利用部位⇒樹皮、葉、葉から抽出された精油です。

・成  分⇒フラボノイド類、ポリフェノール酸、揮発性オイル成分です。精油に

      は主に1,8シネオールが85%保護含まれています。

・効  用⇒殺菌消毒作用、鎮痙作用、去痰作用、解熱作用があり、気管支炎,咳、

      鼻の鬱血や副鼻腔炎等に用いられます。筋肉の痙攣や捻挫には外用し

      ます。

使 用 法⇒葉の煎剤又は浸剤を吸入剤として使用します。

     精油の場合はキャリアオイルで希釈して使用します。(キャリアオイル

     とは、アロマセラピーで精油を希釈する為に使う植物性オイルのこと)

 

●うがいの場合は、ユーカリの乾燥葉又は生葉をマグカップに入れ、熱湯を注いで5分ほど抽出し、液が冷めたら其れでうがいします。(有毒成分も含んでいるので決して飲用しないでください)

●鼻が詰まって不快なときや、咳があるときは、同じように洗面器又は大きめのボールにユーカリの乾燥葉か生葉を入れ熱湯を注ぎ、器の近くまで、顔を近づけ、全体をバスタオルですっぽりと覆い、その中で目をつむって普通に呼吸し7,8分くらいの間蒸気を吸引します。

 図に書けば、右図の状態になります。レシピはこちらから。

(小児や大人でも呼吸器系が敏感な人には刺激が強すぎるかもしれません。喘息の既往症のある方は注意して取り扱ってください)

 

 うがい薬に使える植物は、他にもたくさんあります。それらの一覧は、こちらからご覧ください。

 園内にあるものではアロエ、キンモクセイ、ビワ等はご存じでしょう。ウツボグサ、オトギリソウ、キンミズヒキ、セリバオウレン、エビスグサ等は、今は地上部は元気がありませんが、暖かくなれば生長を始めます。花の時期には、是非お近くでご覧ください。

 

そして物は試しです。是非試してみてくだされば・・・・・

 

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