ステビア

 ウイキョウの後ろで、ステビアが白い花をつけています。どんな植物かはご存じない方でも、清涼飲料水、歌詞、漬け物、チューインガム等の食品には成分表示に甘味料としてステビアが記載されているので、名前だけはどこかで目にされていることでしょう。

 ステビアはキク科の多年草で、草丈は50100cm程で、茎には白い毛が密生していて、根元はやや木質化し、夏から秋にかけて小さな白い花が咲きます。

天然の甘味料、ステビアの葉を一枚ちぎって、噛んでみてください。植物に、こんな甘さがあることに驚かれるでしょう。その甘さは、砂糖の300倍の甘さといわれています

 

パラグアイの先住民、グアラ-^族では、16世紀にはマテ茶と混ぜて甘味料として利用したり、薬用としても心臓病、高血圧、胸焼けや尿酸値を低くする目的で使用されて神聖な植物として扱われていたといわれています。その後20世紀に入ると他の南米諸国でも用いられるようになり、天然の低カロリー甘味料として脚光を浴びるようになりました。1970年には国際糖尿学会で紹介され,日本に種子が導入されたのは1970年でした。1974年には栽培法が確立され、1990年には大塚製薬から「ポカリスエット ステビア」が発売され,天然の甘味料として、ステビアが注目されだしました。日本には、天然由来の甘味料としてはカンゾウ(ウラルカンゾウ)Glycyrrhiza uralensisがありましたが、カンゾウは漬け物、醤油や珍味などの嗜好食品に甘味をつけるというのが主とされていたので、単なる甘味料としては使えないという欠点があったため、それに代わる甘味料としてステビアは研究,品種改良がすすめられたそうです。

 

口に含むと甘さに先ず驚きますが、やがて苦味が混じるようになるという難点があります。しかし現在では其れも改良され、糖尿病の食事療法、高血圧改善、活性酸素の抑制、アレルギーをひきおこすヒスタミンの解毒作用や大腸菌に対して抗菌作用があることは科学的に証明され、多岐にわたって利用されています。

 

また、ステビアにはダイオキシンや残留農薬を分解する作用があるのを応用して「ステビア農法」で、有機野菜作りに応用されています。十年ほど前、柑橘類の根元に枯れたステビアを置いてみたところ、その年のミカンや,ハッサク、ナツミカン等の味が甘くなったように感じました。その時、糖度を測っていれば説得力もあるのですが、測らなかったので説得力に欠けるのですが経験談として・・・・・

 

家庭での利用は、生葉(乾燥葉でも)を弱火で煮だしてステビアシロップを作り、料理に加えて用います。ステビア自体にはカロリーはないので、食事や飲み物に加えカロリーを押さえることができます。糖尿病予防したい方や肥満対策したい方は、砂糖をステビアに代えると良いでしょう。 


学  名Stevia rebaudiana
科  名:キク科
利用部位:葉⇒夏に葉を採取し、風通しのよい場所で影干しします。 

       又は生葉を必要に応じて採取します。      

効  用:天然の甘味料、薬用として。
使 用 法 :・葉を弱火で煮だして、シロップを作り料理に用います。

     ・植物栽培に侵出液を散布したり、立ち枯れた全草を堆肥にします。                  

     ◆煮出すと苦みが出るので、次の方法を試してみてください。    

               《ステビアシロップの苦みを取る方法》       

      1- ステビアの葉をきれいに洗って粗刻みみし、200ccの水に浸し

         て一昼夜ほど置いておきます。(葉:水の分量は1:4程度で)

      2-甘味が抽出されたその水を、漉して鍋に入れ、更に、倍量の水を

        加えて弱火でじっくりと煮詰めます。

       (この段階では、未だ苦味は残っています)

      3-冷めたら上澄みだけを容器に移し替え、冷蔵庫で保存。

 ☆ポイントは苦味成分が全部沈殿してから移し替えることです。

成    分:ステビオサイド、ステビオール配糖体など。

 

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