セイヨウニンジンボク

  私が舩橋に移ってきて初めて購入した木で、30年経った今では、我が家のシンボルツリーとなっています。その木から挿し木で増やし当園に植えてから4年経ちました。今年も花をつけましたが、花の命は短くて・・・今はもう果実を結んでいます。

 

下図は、親木のセイヨウニンジンボクです。

  通称はチェストツリ-又は属名のビテックスと呼ばれます。和名はセイヨウニンジンボクといいます。学名は Vitex agnus-castus です。

 

 

 

チェストツリ-は、南ヨ-ロッパから中央アジア原産のシソ科(旧分類ではクマツヅラ科)の植物で、日本には明治時代に渡来しました。樹高は、23mで、木全体に香気があります。花期は6月末頃から8月。花後に出来る果実部分をチェストベリ-といい、薬用とします。

 

チェストベリ-は紀元前450年頃には、「医学の父」、「疫学の祖」と呼ばれるヒポクラテスが膵臓の治療に使用したと云われ、西暦50年頃には古代ギリシャの医者・薬理学者・植物学者でもあるペダニウス・ディオスコリデスが、子宮の炎症にビテックスの効果を述べているそうです。古くから薬用として利用されていたチェストベリ-です。

   後年ルネッサンス期になると、子宮炎症の治療や通経薬として用いられたそうです。現在、ドイツでは医薬品として月経前症候群の症状、頭痛・いらいらなどの治療薬として認可されていますが、日本では月経前症候群対策や母乳の出を良くするハ-ブとして段々に知られ、「女性のためのハ-ブ」と注目されてきています。ホルモンバランスを整える働きがあり、更年期障害の症状を緩和するためにも活用されています。近年は、美肌やバストアップなどの商品にも配合されているそうです。

 

 

 チェストベリ-には重大な副作用は無いとされてきましたが、

「サプリメント 機能性食品ガイド」によると 

『・ホルモンの生産を増やすことで、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌

 

を促しホルモンバランスを正常化させます。 精油、脂肪酸、イリドイド配糖体、フラボノイド、アルカロイドなどを含み、これらの有効成分が働いてプロゲステロン(黄体ホルモン)を増やし、エストロゲン(卵胞ホルモン)とのバランスを整えます。下垂体において、FSH(卵胞刺激ホルモン)の分泌を抑制し LH(黄体形成ホルモン)の分泌を促進すること また、ホルモンバランスに影響を与える可能性があるため、妊娠中や授乳中の摂取は避ける。 ・ホルモン分泌調整作用をもつと考えられるため、ホルモン感受性のがん(乳がん、子宮がん、卵巣がん)あるいは疾患(子宮筋腫、子宮内膜症)の女性は使用を避けたほうがよい。』とあるので、注意して下さい。

 

学  名:Vitex agnus-castus

科  名:シソ科

別  名:チェストツリ-、ビテックス、イタリアニンジンボク

利用部位:果実⇒完熟種子を採取し乾燥。

        粒のまま又は砕いてティ-に。(カップ1に小さじ1/2

効  用:・月経前症候群、更年期障害、催乳などに。

    分: イリノイド配糖体、フラボノイド、フラボノイド配糖体、精油。

 

 

 

 

     注意)妊婦・授乳中、子供には使用禁止

 

 

 

 

                               

 

 

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