ハンゲショウ

 ハンゲショウはドクダミ科の植物で、中国、台湾、朝鮮半島に裳分布しています。日本では本州、四国、九州、沖縄の水辺や湿地に自生している多年草です。白い根茎を伸ばして群生します。葉や茎を折ったりするとドクダミに似た臭気があります。

 茎は直立し、草丈は60cm100cmほどになります。葉は幅36cm、長さ510cmほどの、卵心形で互生しており、花がつく頃の68月頃、茎の頂点から1015cmの花穂を伸ばし、花びらを持たない白い小花をたくさん咲かせます。花が咲く頃、花穂のすぐ下の葉は、付け根に近い部分から先端にかけて白い斑が入りますが、白くなる大きさはまちまちです。大抵は葉の先端には緑色を残したままになります。

 江戸時代1803年に著された「本草綱目啓蒙(ほんぞうこうもくけいもう」には、江戸時代には、オシロイカケ、ハンゲグサなどの名で呼ばれたという記録が多くの本草書に残っています。

現在では、漢名そのままの三白草(さんぱくそう・みつじろぐさ)や片白草(かたしろそう・かたしろぐさ)の名前で、季語や茶花で呼ばれています。片白草とは‘葉の表面は白斑となっても裏は淡い緑’であることに由来します。 

 

 夏至(げし)から11日目にあたる日を暦上では “半夏生” といい、太陽暦では7月2日にあたりますが、(2016年の)今年は7月1日に当たりました。半夏の頃に生えるからカラスビシャクを半夏というという説や、その逆でカラスビシャクが生えるころだから半夏というのと、諸説あるようです。葉が部分的に白くなるところから、おしろいで半分化粧しているように見えることから半化粧だとする説もありますが、私は暦上からと考えるのが自然のように思えます。

 

 カラスビシャクが生えるこの頃は、梅雨開けの前で雨の多い時期です。有毒なカラスビシャクが花をつける頃なので、誤食には気をつけるようにという意味もあるのではないかしら・・・と思うのは、穿ちすぎでしょうか。

カラスビシャクは有毒植物ではありますが、生薬・半夏(はんげ)で、優れた鎮吐剤として漢方処方で用いられてきました。カラスビシャクについてはこちらをご覧下さい。

 薄黄色の花穂は、初めは垂れていますが、やがて立ち上がります。花は花弁も萼片もない裸花です。 

花が終わる頃には、葉の白い斑は消えて、葉は緑色に戻ります。

 

学   名:Saururus chinensis 

科  名:ドクダミ科 

原 産 地:東アジア、日本各地 (北海道を除く

別   名:カタシログサ・カタシロソウ・ミツシログサ・サンパクソウ 

利用部位:全草又は必要に応じて生の葉を⇒開花期に全草を採り、水洗いしてか

     ら、日干しします。 

効  能:・利尿に⇒一日量10g~15gを、水600cc1/3楼まで煎じて、服用しま

      す。 

・腫れ物に⇒ 軽く一握りを水400600ccで、1/3両に煎じて、冷めた

 ら、その煎液で患部を洗います。 

また、生葉を少量の塩で揉みつぶし、患部に貼ります。 

成  分:全草の臭気は精油によるもの。フラボノイドのクエルセチンやクエル

     チトリンを含む配糖体があり、利尿作用があります。