ユリノキ

 

 病院正面玄関の左手に大きなユリノキLiriodendron tulipifera が開花中です。学名では、lirion(ユリ)とdendron(樹木)と合わさっています。それを大正天皇が、ユリノキと呼ばれたからユリノキとなったという一説もあります。 

 

 

 英名ではチューリップツリーとも呼ばれ。うすい緑色とオレンジのあまり目立たない花です。葉は着物の半纏に似た形をしてることから和名はハンテンボクといいます。

 

病院正面玄関の左手に大きなユリノキLiriodendron tulipifera が開花中です。学名では、lirion(ユリ)とdendron(樹木)と合わさっています。それを大正天皇が、ユリノキと呼ばれたからユリノキとなったという一説もあります 

 

 英名ではチューリップツリーとも呼ばれ。うすい緑色とオレンジのあまり目立たない花です。葉は着物の半纏に似た形をしてることから和名はハンテンボクといいます

 

 

花はまさしくチューリップのような形です。

 病院のユリノキは、正面玄関の左横にありますが、花は高いところで咲いているので、気付きにくいのです。 

 

見上げていると首が痛くなったので、2Fの部屋から見せて貰いに。2階からでも見上げるようですから、樹高は20メートル近いのでしょう。

 

左はユリノキの根元です。根元の幹の部分を計測してみたら、周囲は2.96mありました。周囲の太さからだけでは樹齢は判断出来ないでしょう。

 しかし、関係者に訊いても、ハッキリした樹齢を知っている者は皆無です。

 

当院のユリノキは、おそらく開院時に植栽されたものではないかと思います。

 当院の開業は、1939年ですから、それからでも78年めになるのですが、樹齢はそれより若いのか、老いているのか・・・・・

 

 

 下図の「葉の形」をよく見てください。ちょっと変わった形ですね。

和名でハンテンボクといいますが、着物の半纏に葉の形が似ていることに依ります。お若い方には、半纏といってもよく分からないかもしれません。    

 お祭りの時に見かける祭半纏を思い出していただけると、名前の由来に、納得できるのではないかしら。

 

 花はよい香りがするそうですが、あまりに高いところ咲いているで、残念ですが香りは感じられません。花弁を拾い集めて乾燥させて、粉末にして焚いた匂いは“セクシー・フラグランスと表現されているとか。媚薬のような類なのでしょうか。 

 

 岩手緑化研究会の会報に「ユリノキという木」と題して毛藤会長(岩手大学講師・農学博士)が書かれていますが、其れによると『ユリノキの原産地はアメリカ大陸の東部海岸に沿いアパラチア山脈とその附近ですが日本島では化石として、今から1,500万年前の地層から出ますので、わが国にはゆかりの深い木です。かつて日本本島に栄えた時代がありましたが、100万年から1万年前の間に北半球を二度三度と襲った氷河期に死滅してしまったものと考えられています。』とあります。(日本での最初の発見は、昭和9年、岐阜県の中新世(約2000万年前)の化石からだそうです) 

 

 媚薬のようなユリノキの香りに誘われ、恐竜たちが群れていたのか・・・と想像してみると楽しくなります。近年、恐竜に関して大発見があったようですから、何時の日かユリノキと恐竜の関わりが分かるようになるかもしれませんね。

 

 北米のインディアンや中国の人々の間では民族特有の病気の治療法が現在まで伝わっているとも云われますから、ユリノキの根部や樹皮にはいろいろな薬効があるのかもしれません。(https://goo.gl/TzRi3S が、調べてみても薬用としての利用は見つかりませんでした。おそらく民間的に利用されているのでしょう。 

 

 大分県産業科学技術センターでは「ユリノキ材活用に関する調査研究」で、多用な延久・試作をされた結果『ユリノキはスギ・ヒノキに勝るとも劣らない(木材としての質感は別として)材料と言えると共に、その材料特性を考慮して使用すればインテリア用品に』活用出来ることが分かった』と報告されています(http://oita-ri.jp/wordpress/wp-content/uploads/2015/05/1996_24.pdf

 

  公園にでも行かなくては、目にすることのあまりない木ですが、今後は、家具やインテリアで使用され、私達も「コレがユリノキ材なのか」と識ることが出来るようになるかもしれません。